建物は外から見るだけでは、内部にどのような力がかかっているか、よくわかりませんよね。
建物には、家そのものの重みに加え、家具や人、積雪などの「上からかかる力」、さらには風や地震などの「横から加わる力」などがあり、24時間360日「応力/ストレス」がかかっているのです。
揺れにも強い「安定した家」とは。今回はそのメカニズムを紹介します。
建物にかかる力の流れを知ろう!
上下、左右から加わる「外力」は、柱や梁で受け止められ、上階から下階へと伝えられ、最後に地盤まで流れていきます。
この外力の流れがスムーズに伝わるための骨組みを計画することが、安定した家をつくることにつながるのです。
そのためには、上階と下階の柱や梁が、規則正しく立体格子状になっていることが大切になってきます。
下図右のように、1階と2階の輪郭や間仕切壁の位置にずれがなく、梁や柱も規則正しく配置されているのが、構造的に安定したよい間取りといえます。
反対に、下図左のように、1階と2階で柱や壁の位置がずれている箇所が多く、建物全体を支える通し柱が3か所(〇部分)も欠けているような構造だと、不安定な間取りになります。
箱型で総2階のシンプルなカタチがベスト
安定した家とは、箱型総2階のようなシンプルで単純なつくりといえます。
建物のカタチが単純でまとまりがよいものは、耐震的に効果があるばかりではなく、耐久性の面からも望ましく、さらには建築費用を抑えることもできるのです。
家のカタチを考えるときは、まずは単純な箱型総2階にして、不足部分があれば、下屋にして追加するとよいでしょう。安定した構造の原理を理解することは、様々な応用にもつながるのです。